決まり字

むすめふさほせ

『まごはやさしい』=マメ・ゴマ・ワカメ・ヤサイ・サカナ・シイタケ・イモ。
これは栄養バランスをキープする為の、大事な頭文字。
『むすめふさほせ』=村雨・住の江・めぐりあひ・吹く・さびしさ・ほととぎす・瀬、やはり頭文字。
これは『一字決まり』と呼ばれる7首の、頭の一字です。
上の句を読むスタイルのゲームでは、これらの歌は一字目で取り札が確定します。プレイヤーにとっては待ち状態がほんの一瞬で終わる歌です。

   きりたちのぼる あきのゆふぐれ    ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ    くもがくれにし よはのつきかな    むべやまかぜを あらしといふらむ    いづこもおなじ あきのゆふぐれ    ただありあけの つきぞのこれる    われてもすゑに あはむとぞおもふ

『む』の歌にいたっては、下の句も『き』の一字決まりですから、最速で勝負のつく札です。 『む』が出たら『き』!と覚えてしまいます。

逆に待ち状態の長いものを見ておきましょう。


あさぼらけ あ   よしののさとに ふれるしらゆき
あさぼらけ う   あらはれわたる せぜのあじろぎ
きみがため は   わがころもでに ゆきはふりつつ
きみがため を   ながくもがなと おもひけるかな
わたのはら こ   くもゐにまがふ おきつしらなみ
わたのはら や   ひとにはつげよ あまのつりぶね

待ち状態のまま2句目に突入する6首。
さらにつっこめば『わたのはら や』の句は、下の句が『ひと』から始まる激戦句なのです。『ひと』から始まる下の句は9首あり、小倉百人一首中最多、つまりは紛らわしい下の句グループです。
長いトンネルを抜けるとそこは人の海!どこかしら社会の縮図を見る思いです。

ところで『む』『き』! の覚え方ですが、コミカルな響きではあるものの、少なすぎて字足らずというか、なんとなく語呂が悪い気がします。
これを敢えて『むら』『きり』! と覚えましょう。私見ですがこの語呂のよさが頭に刷り込まれやすく、思い出しやすいのです。

一般に欧米人の言葉のリズムは3拍子、日本人の言葉のリズムは4拍子だといわれます。「掘った芋いじったな!」を3拍子で喋ると何となく
"What time is it now!"に聞こえたりしますね。和歌のリズムも4拍子で作られています。「5・7・5・7・7」「7・7・7・5」「5・7・7・5・7・7」古来日本の韻文は4拍子のリズムにのって創られてきました。『むらきり!』は4文字です。2拍は4拍子にハマります。
子供がお風呂で十数える時。あのリズム、2拍を意識しながら数えています。イチッ!ニッ!ではなくイ〜チッ!ニ〜イッ!と数えますよね。「十数える」ときのある種『大和魂』的リズムにのっとり、短い言葉は是非とも2拍(=4文字)で覚えることを推奨します。


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