『THE BLUE HEARTS』

日本ロック界に於いて、ブルーハーツの与えた影響は最大級です。
でもまあ、ビジュアルや音のカッコよさではないのです。むしろそのカッコ悪さ、溢れんばかりの親近感が当時の中・高生を揺さぶったわけです。
つまり日本中に何百万もの「俺でもヤレるかも...」というモチベーションを起こしたのでした。嘗て『ブルーハーツ語録』の中でヒロト曰く、「俺たちが渋谷を歩いてるとみんな、ヒロトぉ!とか、がんばれえ!とか声かけてくる。だ〜れもサインなんか求めてこねえ。」
もちろんロック好きの“クズども”たちはブルーハーツを卑下していたのではありません、リスペクトしていました。その上での親近感。俺達のアニキがラジオに出てたよ!そういう気分にさせてくれるのでした。
折しもそれはイカテン・ホコテン、空前のバンドブーム期。仲間さえ集めればいくらでもプレイする場があった時代。マーシーのように大好きなフレーズをギターで刻み、ヒロトのように真っ正直な思いを歌にして叫ぶ。UKパンクが広めたアンチエスタブリッシュメントの方法論は、ザ ブルーハーツを通して更に使いやすい表現技法になり、若いロックミュージシャンの中に刻まれてゆく。当時も、そして今も...


『...AND OUT COME THE WOLVES』

白状しますが、管理人が始めてRANCIDを聴いたのはようやく2000年頃。久しぶりに入ったレコファンを、まるで旧友に質問責めをするように、隅から隅までチェックしていたその時、店内のBGMに使われていたのが発売したての5枚目のアルバムでした。リピートされたアルバムの9曲目「RWANDA」が3回流れた頃にはもう買うものはその一枚に決まってました。
遅れて出会った友達をまた、質問責めにするように、聴き漁った挙句に心を奪われたのが2枚目『LET’S GO』、そしてじんわりと脳内を占拠していったのが3枚目『...AND OUT COME THE WOLVES』。基本の激しいハードコア路線は変わりませんが、この3枚目はとても懐が深いのです。2枚目発表からの1年で一体彼らのソングライティング環境に何が起こったのかは解りません。ただその楽曲はすっかり大人びたモノに変わっていました。
表現方法として最も激しいカタチの一つハードコアパンク、その中でもかなりの“叫ぶ詩人”・RANCID。視線の先には揺らぐ世界の中で揺すられながら生きる人々(←自分自身も含めて。)がいて、自らをアンテナにしてそれを増幅し、その興奮のまま叫ぶ人々。
RANCIDはこの『...AND OUT COME THE WOLVES』で、“語りかける”ということの強さを手に入れた。そんなわけで例えば『THE WAY I FEEL』の詩を読み返せば、発表からずいぶん経つ今でもドキッとしてしまうのです。


『ORANGE SUNSHINE』

ジュディアンドマリーというバンドは本物のポップモンスターです。
テレビ・ラジオ・雑誌といった90年代のあらゆる音楽マスコミュニケーションのど真ん中を歩ききった怪物。ボーカルYUKIのキャラクターとメンバーのソングライティングの巧みさが見事に融合・昇華した大衆芸術。考えてみれば幾多の、いや全ての紅一点というカタチを採ったバンドはみんなそれを目指したはずなのです。怪物ジュディアンドマリーはその頂点にあったといえます。
これは不思議な現象ですが、モンスターバンドはみな3枚目のアルバムで傑作を作り、4枚目のアルバムでセールスの金字塔を打ち立てます。ジュディマリでいえば『MIRACLE DIVING』・『THE POWER SOURCE』にあたるわけですが、これは飽くまでバンド史に於いての話。2枚目『ORANGE SUNSHINE』にはロック史の中での大きな意義があります。それは「ロリータパンク」というジャンルの確立です。
ジュディマリ自体の音楽はこの後どんどんポップ化していきます。しかしここで創りあげたCUTEな歌詞をSHARPな音で表現しきる新世界が、後発の女性バンドに、またロックに飽き始めていた音楽ファンに“ロリータパンク”の存在を気づかせた。それは音楽産業に多大な影響を与えたインシデントです。


『White Trash,Two Heebs & A Bean』

例えばジャズがニューオーリンズで産声を上げ、それなりの歳を経た今、「○○ジャズ」というジャンルがどれだけ増えたことでしょう。
音楽産業の優良児ロックンロールに於いてはなおさらです。
しかしどんなに細分化されたカテゴリーにも必ず起こる分化動向があります。ジャンルのポップ化とハード化です。有り体に言えば聞きやすさを求めるかマッシブな表現を求めるかですが、その性格上「ポップ化はマジョリティを占めやすくハード化はマニア度を高めていく」という傾向はどうしようもなく起こります。
パンクに起こったハード化現象は名レーベルEpitaghによって加速しますが、それは稀に見るハード化した音楽のマジョリティ制圧でした。そして同レーベルの音核を為すのがNOFX。圧倒される程アルバム発表数の多い「パンク界のサザン」NOFXですが、名曲“Bob”を収めた『White Trash,Two Heebs&A Bean』はビートルズでいえば『サージェント・ペパーズ〜』、まさにマスターピースです。
ロック好きなら必ず一度はハマるハードコアパンクですが、もしまだ未体験の方がいるのなら是非このアルバムから入って欲しい。世の中にパンクの教科書があるならば、全ページカラーマーカーだらけのNOFXページ。パンクの歴史と範囲のまさにど真ん中にあるバンドです。


『dookie』

パンクはパンクでも、グリーンデイのパンクはアメリカンパンク。ロックンロールを韻文による社会派な武器にしたUKロックに比べ、アメリカのそれは実に楽天的。勿論、シャッチョコばったテーマを持ってたりもするのですが、それでも音が明るい!アメリカの音楽産業は、ブルースもヘビメタもクラシックでさえもポップにしてしまう力を持っているのです。
アメリカは自由市場経済の支配者です。そしてアメリカで売れるモノは世界中で売れまくる。グリーンデイもこの『dookie』でアメリカを制し、世界を制覇しました。この後3枚目のアルバムでアレンジを発展させ、より多くの耳を釘付けにしていくグリーンデイ。しかしこの成功は、R&B全盛の音楽市場に対する世界のロックファンからのアンチテーゼでもあります。
暑苦しい惚れた腫れたの色恋沙汰は、「featuring〜」ばかりで誰の曲だかわからないプラスチックリズムマシーンにまかせておけばいい。音楽を楽しみたいならロックが一番!そんな思いを込めた一票として、世界市場がグリーンデイのアルバムを買ったのだといえます。


ウォーカー・ショートブレッド3缶セット  6,930円

ウォーカー・ショートブレッド3缶セット  6,930円

コメント:世界中でこのクッキーを食べて、「ああ、こいつらと戦争してたなんてどうかしてた...」と考える人がいるかもしれない。各地で有名を馳せたハイランダー連隊が持ってたならね。ギブミーチョコレートの頃の日本人のように。たまに箱入りを洋品店でも見かけますが、今回たっぷり入った缶入りでいかが?


バグパイプベア2,625円(スコットランド民謡を奏でます。)バグパイプベア2,625円(スコットランド民謡を奏でます。)
コメント:可愛い熊のバグパイパーが、沈んだ気分のあなたにひと時の癒しと、ちょっぴりの勇気をくれます。本物の熊はあれだけ暴れん坊なのですが、どうしてぬいぐるみにするとこんなに愛らしいのか!?動物界の七不思議です。纏っているのは勇名を馳せたハイランダー連隊のブラックウォッチタータン、きっと強く優しい包容力で、ストレスに萎んだあなたの心強い味方になってくれますよ。


ピーターラビット紅茶3缶セット ピーターラビット紅茶3缶セット 4,935円
コメント:ハイクラスな香りと可愛らしさのコンビネーションです。イギリスといえば霧雨がつきもの。今もきっと、霧のかかった足の短い草むらをピーター似のウサギが走り回っているのでしょう。一日走り回ったら、紅茶を片手にひと休み。夜ならミルクをた〜っぷり入れて、胃にもやさしいミルクティー。あとはぐっすり眠りましょう。


チャーチル・ロンドンバスキャンディ3缶セットチャーチル・ロンドンバスキャンディ3缶セット 6,300円
コメント:これ以上、日本人にロンドンをアピールできる物はありえません。ロンドン市内に知らない道はないといわれるタクシーの運転手たち。赤いノッポのロンドンバスが更にノッポなビルの中を往く風景。ついでに天井にユニオンジャックを背負ったミニクーパー。それこそせいぜい原チャが精一杯な僕たちのロンドン。


ホッグスヘッドピュアモルトスコッチウイスキーホッグスヘッドピュアモルトスコッチウイスキー 6,825円
コメント:ふくよかな薫り、まろやかな舌触り。これは天使の運んできた飲み物に違いない。ハイランドの山々の天使、或いは岩肌を湿らす潮風の天使。きっと奴らは霧を吸い込み、麦の穂に向かって息を吹きかけるのだ。各地の天使のため息を一本に集めたウヰスキー。


PUNK ROCK MAGIC

パンクロックマジック〜戯れにパンクスタイル〜

ゴスロリ

音楽としてのパンクに、ゴシックの精神が符合するはずがありません。ゴシックは神への愛を最大限に表現しようとしたもの。そこで生まれた表現技法は虎皮のマントのように強力で、人間は思わず羽織って威を借りた。
パンクは常にリアルです。誇張しない、見栄を張らない、そして圧倒的な権力にも迎合しない。ウエストミンスターの薔薇窓のそばで、シドはAnti-christを叫んでいたのですから。
然るにパンクとゴシックはファッションにおいて運命的な出会いをしました。アニマル柄やタータンを多用したロンドンパンクスタイルと、レースやコルセットを用いたゴシックスタイルは、どちらもそれまでの型を破って出来上がったファッションスタイル。そのド派手なアピール性においても釣り合いが取れている。ですからゴスロリファッションの隣にパンクファッションが同居できるのです。
それでも2つのスタイルの完全な融合は難しいでしょう。思うに現代のゴシックファッションには女性の部分が、パンクには男性の部分が強調されています。アピール力は同じでも、アピールしているイメージは全く別のものということでしょう。この2つを結べるブリッジは、シルバーアクセとタータンチェックだと思います。まあチェックマニア的贔屓はありますけど...

ゴシックとは?

レゲエ

数ある芸術表現のなかで音楽ほど、クロスオーバーを自然にやってのける表現はないだろう。PUNKROCKなのだから、ロックの範疇で(例えばスラッシュバンドがパンクを演っていたり、聖域というか禁忌のビートルズをカバーしたりなどなど...)境を取っ払うのは想像に易しい。じゃあ、レゲエパンクはどうだろう。
この脅威の相互乗り入れは実に自然。なにしろ「俺達レゲエパンク!」なんて改まって宣言なんかしない。普通にパンクを標榜するバンドが、普通にレゲエを違和感無くプレイする。NOFXがレゲエ調にカバーしたRANCIDは最高だったなあ。
それにしてもふしぎである。レゲエは裏拍子の音楽、テンポを上げればスカになるはず。ロック寄りに移行させれば、もっとレッチリみたいになるはずなのに...

モヒカン刈り

かつて、ぞくぞくと植民してきたヨーロッパ系民族と激しい戦闘を繰り広げたアメリカ先住民族たち。モヒカン族・イロコイ族・ソーク族といった今で云うモヒカン刈りの文化を持った部族は、現在ほとんど残っていないようです。つまり、先住民族の中でも最前線に立ち、戦況が決する前に真っ先に散った部族です。
セックスピストルズの頃には見受けられなかったこの髪型が時代の最前線に現れたのは80年代初期。きちんとした資料はありませんが、クラッシュの『Combat Rock』(1982)辺りに上昇気流がありそうです。更に掘り下げれば、これは映画『Taxy Driver』(1976)にインスパイアされた作品。ルーツはデニーロかも知れません。
ニューヨークのシビアな世界に起こる激しい人間ドラマですが、このニューヨークは嘗てモヒカン刈りの先住民族が駆け回っていた土地。云っちゃえばファッションの先祖返りです。それを汲んだのはロンドンパンクスたちでした。
ロンドンで流行ったモヒカン刈りは世界のパンク族に受け継がれ、現在に至ります。しかしそのムーブメントの背景は、土地を奪った大英帝国が奪い切れなかった先住民族の魂、その強かな復讐かもしれません。

ユニオンジャック

>UKのシンボル。この国の政治的な母体はイングランドだが、1603年のステュアート朝以降は隣国との合同や植民先との連合が繰り返される。1801年に制定されたユニオンジャックは、今なおイングランドとの関係性に戸惑うスコットランド、アイルランド、ウェールズさらにはイギリス連邦各国を1つにつなげる強力なイメージ。ユニオンジャックがあるおかげで、UKって何?と聞かれたら、ひとまずユニオンジャックを掲げる国と答えられる。
島国として大陸と対峙する地政学的条件は日本も同じ。でも白村江の戦い以降大陸政策に臆病だった日本に比べ、ブリティッシュは実にタイトながら、とにかく大陸と関わり続けた。フランスが、ノルウェーが、やがて遠いアメリカがこの島国と喧嘩しながら寄り添っていく。それは「ブリテン」としての歴史だけでなく「スコットランド」「ウェールズ」「アイルランド」が個別に諸国とかかわって、対イングランド政策に活用した歴史でもある。
そうしたイギリスの抱える矛盾を考えると、ジャックも一筋縄じゃあイカないね。

アナーキーインザUK

セックス・ピストルズの『anarchy in the UK』は、今なおカバーが続々量産される名曲ですが、数あるカバー曲の中で管理人がいちばん好きなのは『anarchy in the USA』です。

シルバー

近代世界史の前半は「Gold,Gospel,Glory」の合言葉で始まる。金・銀争奪戦が繰り広げられた時代、南米・中国そして日本の銀がヨーロッパに呑み込まれていき、代わりにヨーロッパは鉄の船と砲弾を吐き出したとさ♦°
かつて世界を揺るがした銀。一般に銀器として使うのは銅を混ぜた95.0%合金。手入れを間違えると黒くなったりします、レモン汁入りの湯で煮てください。ソリッドな印象を持ちながらデリケートで繊細な輝き、じゃじゃ馬です。
鋲だらけ黒革尽くしの革ファッションは、無数の楔を打たれる痛みを訴えかけ、それでも金属光沢の鮮烈さとゴツゴツした重たさが硬派な強さを見せ付ける。人間とはかくも複雑な生き物です。

ヴィヴィアン=ウェストウッド

鬼才マルコム=マクラーレンが探し出し、世界に贈った2つの宝物。1つはセックス・ピストルズ、そしてもう1つがヴィヴィアン・ウエストウッド。81年のロンドンが初コレ。以来、刺激的な印象のデザインを発表し続けている。

ジーンズ

何となくジーンズとパンクの繋がりには釈然としないものがある。
でもダメージドジーンズに派手なTシャツを着ると、なぜかパンクアレンジになってゆく。始まりはニューヨークパンクか?スケーターファッションか?
でもアレキサンダー・マックイーンのせいで高騰した昨今のジーンズファッションは置いとくとして、なけなしのコヅカイをはたいてファッションに、音楽にと投資しなきゃいけない奴らのアイテムとして、きっとジーンズは世界共通なんです。

ロンドン

PUNKの聖地。サブカルチャーをモチーフとした流行モノは大抵ここから始まる。ロンドン⇒ヨーロッパ⇒アメリカ東海岸⇒世界市場と拡がるモノが多い。

安全ピン

普通のピンでは危ないから先にフタをし、かつ開け閉めを自由自在にした...まあそういうことです。でも刺さった感じの痛々しさは残り、だからこそファッションに採りいれられたのでしょう。そう考えると何が安全なんだか!
穴が開くほど履き古した小汚い、というか汚い!ジーンズのほつれを留める安全ピンは、冷たい顔して見降す世間と訳もわからず走り出す少年を繋ぎ止めるピン。
見てみぬフリの大人たちと社会を捨て切れない子供たちをつなぐという意味で安全のカスガイとなるのです。

タータンチェック

タータンチェックはスコットランドの正装、と云われてきましたがきちんと決めたのはわりと最近みたいです。けれども柄に名前をつけて管理したことは文化を守る為にとても重要で、実際「タータンとは?」という問いかけに「これとこれ、あとこれだ!」と言い切れる確固としたジャンルがこうして存在しているのです。